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役に立たない経験なんてない
元リクルートキャリア法人営業が語る脱藩への道

森様

株式会社リクルートキャリア出身

エムスリーキャリア株式会社

プロフィール

今回は、エムスリーキャリア株式会社「医師事業部非常勤紹介グループ」にてリーダーをつとめる、森尚樹氏にお話を伺った。

森氏は新卒でリクルートキャリアに入社後、企画・マーケティング・法人営業と様々な部署を経験してきた。


全く予想もしなかった仕事

「私の父は、私が小学校の低学年ぐらいに起業しており、小さいころから父の苦労する姿を見ていたのですが、私が大学生の頃に事業が大きくなり、会社も上場しました。そんな父の苦労から成功までを間近でみていて、影響を受けたと思っています。」

父親の影響もあり、新しく事業を作った会社の社長や経営者と多く触れ合える仕事に興味を持った。また、無形商材を扱い、自分が営業して価値を発揮できるような業界を中心に就職活動を行った。その中で人材系の会社に惹かれ、縁があったリクルートエージェント(現リクルートキャリア)に入社した。

しかし、入社した森氏が配属されたのは、キャリアアドバイザー部門の企画部署だった。入社時に思い描いていた仕事とは異なる、法人企業にも接しなければ、個人の求職者にも接しない、バックヤードの企画スタッフとしてキャリアをスタートさせた。

「最初の頃の仕事が、10月の頭にやるキャリアアドバイザー組織の『草津温泉に行くキックオフ』の幹事でした。『ユニットのトップのメッセージをどういうものにするか』の事前打ち合わせとか、自己紹介のムービーを作るとか、納会の企画をし、チームごとに出し物大会の取りまとめをしたり。営業の企画部署なので、若干エクセルを触る等、少し企画職っぽいことはしましたが、1年目は『自分は何をやりたくて入社したのだろうか・・・』と少し見失ってしまいそうなこともありました。」

自分の思い描いていた仕事と実際の仕事内容とのギャップというのは、就職後往々に起ることであり、そのタイミングで転職や異動を考える人も多い。
しかし、森氏がリクルートに残ることを決めたのには次のような考えがあった。

「一つは、ここで辞めたらただの逃げ。もったいないと思いました。もう一つは、1年目後半に実施された新人向けの研修を契機に、『このことについては、森に聞いてみよう』『あることついてのプロフェッショナルは森だ』という風に、みんなに頼ってもらえるようになりたいという思いを持つようになりました。これ以降、誰よりも詳しくなるために勉強もしましたし、社内外の色々な人に話を聞きに行ったりもするようになりました。」

「森に聞け」専門性を磨いたマーケティング時代

1年後、森氏の所属していた部署は解体され、マーケティング部門に異動。そこから2年半、求職者の集客に関連する業務に携わっていく。そこで森氏が行っていたマーケティングは、SEOやアフィリエイトではなく、「リアル接点を活用した集客」だった。
「例えば、知人紹介を使ってどうやって集客をするか。そのための、知人紹介をもらいやすい名刺のデザインや、渡しやすい名刺のデザインを考え、それを全員分作り発注するなど、マーケ部門の中では特殊な集客をやっていました。」

一般的に“花形”ではないことを極めてやることで、森氏が意識していた「みんなから頼られる」という状況が作られていった。

「マーケ時代の後半は、メルマガ等も担当していました。メールマーケティングのセミナーに行ったり、メールのデータベースの活用方法を考えたりとか、新しいアイデアを出して試してみたりとか、自分なりにこだわってやっていました。お陰様で、特殊なことをやっていたので、キャリアアドバイザーの人たちから『●●については森に聞いておけ』というのが少しずつ広まり、自分自身と自分の専門に対する認知度が高まっていきました。」

法人営業とエムスリーキャリアとの出会い

社会人4年目の10月から、かねてからの希望が叶い、法人営業の部隊に異動した森氏。そこから二年半、全く営業経験のないところから、プロの営業になるまでには様々な苦労があった。

「異動してから合計で2年半法人営業をやることになるのですが、営業経験はゼロの状態からで、最初の頃はお客様からクレームは出ましたし、はっきり言って全然売れませんでした(苦笑)。企画時代の経験のおかげで、キャリアアドバイザーから認知はされていましたが、特に有利には働きませんでした。最初の半年間はつらかったですし、実は一度、辞める意思も当時の上司に伝えていました。

ところが、辞める意志を伝えた1週間後ぐらいに東日本大震災が起こりまして・・・。辞めるという話自体が有耶無耶になって流れました。4月で少し環境が変わって、法人営業も半年間やって少しずつ慣れはじめ、自分なりの営業スタイルができてきました。

企画部署での経験から資料を作るのが得意であったことや、丁寧な性格がお客様からも認められるようになり、何人かメンバーを持ちながらリーダー業務もやるようになりました。」

営業としてのコツもつかみ、順調だった森氏に転機が訪れる。

森氏はリクルートキャリアでの最後の1年間、エムスリーキャリアを担当していた。しかし、部署異動があり、エムスリーキャリアの担当を外れなくてはならなくなった。その時、たまたまエムスリーキャリアで人事の募集があった。

「ターゲットが自分に当てはまっていたので、冗談で『僕も当てはまりますかね?』と言っていたら、『今度ご飯食べましょう』という話になりました(笑)。もともと思い入れが強く、好きな会社の1つでした。また『エムスリーキャリアみたいなベンチャーに入って、新しく事業を生みだし、大きくしていくところに携わっていきたいな』とも思っていました。面接を受けて、2013年の6月、エムスリーキャリアの医師事業部専任の人事担当として入社しました。」

今までの全ての経験が生きた―人事から事業のリーダーに

入社後、2年弱はずっと人事担当として主に採用業務をしてきた森氏であったが、やはり、事業を作りたいという思いは継続していた。そんな矢先、非常勤紹介事業の責任者に部署異動することになる。9割が女性で構成されている、業績や組織マネジメントを含めて、立て直しの必要性がある部署であった。森氏の経験や性格を加味しての抜擢だった。

事業を再構築していく中で、森氏はこれまでの全ての経験が活きてきたと言う。

「ここへきてリクルート1年目のキックオフ幹事の経験や、マーケ時代の集客の経験や法人営業、人事の経験など、全部が活きてきた感じがしました。どうやって毎月安定的に求職者を獲得するかという点では、マーケ時代に関わった集客の知識が活きますし、法人営業でやっていた経験は、医療機関への対応にも活かすことも出来ました。人事の経験は、求職者であるドクターから、話を上手く引き出して聞くことにも活きていると思っています。あとは、場を盛り上げるとか、どうやってメッセージを伝えるかというのは、1年目のキックオフなどイベント幹事の経験が役に立ちました。」

恵まれたベンチャー

エムスリーキャリアは2009年にエムスリーとエス・エム・エスのジョイントベンチャーとして設立された会社である。会社の魅力について伺った。
「ベンチャーではあるものの、親会社2つの基板がしっかりしています。エス・エム・エスもエムスリーも両方共一部上場していて伸び盛りの会社で、確固たる事業ドメインやノウハウを持っています。2社が持っている会員基盤や医療機関とのパイプを上手く活用して、新しく事業を開発したり、既存事業とシナジーを産むことが出来るので、一般的なスタートアップのベンチャーよりも事業を開発していく上ではかなり恵まれている環境だと思います。
今はまだそこまで規模が大きいわけではないので、アイデアを形にしていくスピード感についてはリクルート時代とは全然違います。リクルートだと、何かをはじめる際に、稟議を通して、役員決裁を仰いで、場合によっては1ヶ月以上かかることもあります。
リクルートもエムスリーキャリアも、『まずはチャレンジしてみよう』という文化があるのはいいところですが、エムスリーキャリアはリクルートよりも新しいチャレンジをするための投資の裁量は大きく、決断も早いです。
また、リクルートのほうがシステムは整っているので使いやすいし、とても効率的です。しかし、エムスリーキャリアはよくも悪くも未整備。改善の余地があるので、ポジティブに捉えれば、まだまだ効率化できるし、よくしていけるという点はよいと思っています。」

親会社のリソースや既存事業を活用でき、ベンチャーのスピード感を持ったジョイントベンチャーは、脱藩者が最も力が発揮できる環境なのだろう。

経験はお金に変えられない~未来の脱藩者へのメッセージ

「私は、リクルートキャリアを初めとしたリクルートグループや、大手コンサルなどでずっと働き続けることに対しては、何ら否定的ではありません。ただ、悩ましいことにリクルートもコンサルも給料が高いので、30代中盤になって(同水準の給料を維持したまま)出ようと思ったら、行く先の選択肢が相当狭くなってしまうと思います。私もエムスリーキャリアに行って給料は下がりましたが、中長期的に見た時に得られるスキルや経験はどっちが大きいかを考えて選びました。
社会人生活のなかでどれだけ貴重な経験が積めるかという観点で考えたら、大企業で働くのもベンチャーで働くのも起業するのもいいと思っています。ただ、大企業では漫然と言われるがままのキャリアを進みがちになることも多くあります。自分の意志無くキャリアをたどるのはもったいないのではないでしょうか。
私に関していえば、マーケもやり人事もやり、企画も営業もやり、メインキャリアが何であるのかは分かりません。しかし、すべての経験は無駄にはなりませんでした。今いる部署で頑張っていれば、いずれ『新しいことをやりたい、違う会社で活躍したい』となった時に、その経験が活きてくると思います。だからこそ、着任した部署で課せられたミッションを精いっぱいおこない、自分の市場価値を常に意識しながら働くことが大切だと思います。」

※所属部署、肩書等については、インタビュー当時(2015年10月)時点のものです。

(取材・文/山口友理子)

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