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キャリアを重ねることで見えてくる仕事に対する自分の軸
大企業ではなく、スタートアップのCFOを選択した理由

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デロイト トーマツ コンサルティング合同会社出身

株式会社ietty取締役CFO

プロフィール

オンライン賃貸仲介事業を展開する、株式会社ietty取締役CFO、小林正典氏にお話を伺った。小林氏は、広告代理店、アイ・アール・ジャパン、デロイト_トーマツ_コンサルティング、楽天を経て、同社に参画。様々なキャリアを積み、スタートアップ企業のCFOに至った経緯には、どのような想いがあるのだろうか。ご自身の仕事観を語っていただいた。


自身のキャリア形成を辿る①

広告業界・コンサル業界でキャリアを築く

小林氏は、第三者の立場から会社をサポートする、広告代理店とコンサルティングファームでキャリアを磨いてきた。新卒で入社した広告代理店では、大手向けのマーケティング支援に携わり、アイ・アール・ジャパンにて大手上場企業向けのIR・SRコンサルティングやM&Aアドバイザリー業務等で実績を残した後、デロイト_トーマツ_コンサルティングへ転職。デロイト_トーマツ_コンサルティングでは、大手メディア企業の事業戦略策定やIPO支援業務に従事する。

初めの転職は、広告業界からコンサル業界。その意思決定には、どのような想いがあったのだろうか。

「広告代理店では、売上高を伸ばすマーケティング支援を行っていました。企業が成長するには売上高を伸ばすことが重要ですが、その成長が資本市場から評価されなければ企業価値は向上しない。また、企業を成長させるためには資金が必要で、その資金をどこに投資するかを判断することが重要だということを痛感したんです。当時はリーマンショックの直後で、資本市場は冷え切っていましたが、そんな中でも成長している企業があって、そんな企業の役に立ちたいと思い、アイ・アール ジャパンへの転職を決めました。」

アイ・アール ジャパン入社後はコンサルタントとして、大手自動車メーカーはじめ、日本を代表する企業のIR戦略の立案、買収防衛策やM&A等のアドバイザリー業務に携わる。入社3年目には、同社のトップコンサルタントとなり、同社のIPO実現にも貢献する。
「とにかく一番になることを意識して仕事をしていました。売上高の成績もそうですが、顧客満足という意味で、サービス品質も改善しつつ、新しい手法をどんどん取り入れて新規顧客を開拓していきました。良い上司やチームに恵まれたというのもありますが、当時は誰よりも仕事をしていたと思います。」

上場企業30社超との年間2億円という売上高の実績を達成した小林氏が次に選択したのは、経営コンサルティング業界だった。

「それまで、マーケティングとファイナンスを中心に関与してきたのですが、携わることができる業務の幅が限定されていたんです。しかし、会社を良い方向へ進めるためには、マーケティングやファイナンスだけでなく、戦略策定やオペレーション構築、組織設計等のスキルが必須であると考えました。中でも、デロイトは、戦略だけではなく、顧客の現場に深く入ってオペレーション部分のコンサルティングまでを行っているため、幅広いスキルを身に付けながら働いていくことができると考え、転職を決めました。」

デロイト_トーマツ_コンサルティングに入社後は、大手メディア企業のコンサルティングに携わる。常に新しいことに挑戦し、最先端の技術を追っている中で、やりがいを感じていた。また、大型のIPOプロジェクトで今後、二度と経験できないような多くの業務を経験した。しかしながら、コンサルティング業務の限界を知る。

「クライアントから高額な時給をもらっているとはいえ、自分の評価を気にしながら仕事をしていました。上司やチームメンバー、そしてクライアントからの評価が、次のプロジェクトに直結するため、本当に会社のためなのか、わからないような業務もたくさん経験しました。もちろんある程度は評価されていたと思いますが、自分が、評価されるために仕事をするのではなく、純粋に会社が成長するために仕事がしたい。そう感じるようになっていました。コンサルティング業務は会社の意思決定をサポートするだけであって、意思決定自体をすることはできない。言い方は悪いですが、コンサルタントは、究極の派遣社員なんです。ここにコンサルティング業務の限界を感じました。」

自身のキャリア形成を辿る②

コンサル業界から楽天、そして現職へ

3年間のデロイト_トーマツ_コンサルティングでの業務を経て、事業会社への転職を決意する。そこで選んだのが楽天であった。

「コンサル業界でのノウハウを手に入れ、プロジェクトの区切りがついたとき、転職を考えました。転職を考えた理由は、意思決定をする側である、事業会社に行きたいという想いと、プライベートの要因があります。当時、結婚をしたばかりだったのですが、コンサル業界は朝から夜中まで拘束され、家庭の時間が確保できていないことに気が付きました。収入を維持しながらも、奥さんとの時間を作りたいと考えたんです。収入を維持しながら、働ける事業会社は、限られていました。逃げの考えを持って、楽天を選んでいたのかもしれません。」

自身の転職を「逃げだったかもしれない」と振り返る小林氏。しかし、楽天に転職するまでの間、ボランティアという形でiettyの事業を支援したことが、自身のキャリアに転機をもたらす。

「本来は脱藩せずに、そのまま楽天に入社する予定でした。ですが、iettyでボランティアとして働く中で、スタートアップ企業の方が、自由度も高く、責任の重さもはるかに大きく、自分に向いていることに気づきました。大げさかもしれませんが、自分が頑張らないと会社が倒産するかもしれないんです(笑)。でも、頑張れば会社だけではなく、業界全体、日本経済全体を大きく変えることができるかもしれないんです。そのリスクとダイナミックさが面白いと感じたんです。入社1週間で楽天に退職届を提出して、iettyで働くことを決めました。」

スタートアップ企業の自由度と仕事内容、責任感に魅力を感じ、脱藩を決意した小林氏。iettyにはCFOという役職で参画する。

iettyでCFOとして働く、新しい道

スタートアップを選択する際のポイント

小林氏に楽天ではなく、iettyのCFOを選択したポイントについて伺ってみた。

「スタートアップであるietty のCFOとして働く決断ができた理由は、3つあります。1つ目は、iettyの事業の成功確率が高いと自分で評価できたからです。マーケットが大きいか、マーケットが成長しているか、そして会社のサービスがマーケットの中で競争力があるか3点に着眼しました。この3点が揃っていれば、成功する確率も高いというコンサル的な考えで判断しました。

2つ目は、iettyの経営者との相性が良かったことです。単純に一緒に仕事ができるかという点と、経営者が会社を大きく出来る器かどうかという点を見ました。会社は経営者の器以上には成長しないので、そこはきちんと見るようにしています。ボランティアをしながら、お互いに相性などを見極められた点も良かったと感じています。

3つ目は、iettyの事業の面白さです。事業が与える社会的なインパクトやiettyの事業に今後、5年、10年と関わっても良いと思えるくらいコミットできるか考えました。
事業の成功確率・経営者との相性・事業の面白さ、この3つを満たさないスタートアップへの転職はすべきではないと私は考えます。1つでも欠けてしまうと、おそらく何らかの理由で辞めてしまいますね。きちんと覚悟を決めてスタートアップ業界へ来てほしいです。」

脱藩を決断する時、事業の成功確率・経営者との相性・事業の面白さの3つに納得する必要があると小林氏は断言する。3つ目の事業の面白さについて、小林氏はどのように考えているのだろうか。

「単純にその事業が好きかどうかで、事業が面白いかどうかを判断しました。私自身、不動産業界が好きです。思い返してみれば、学生時代には部屋探しのために、1ヵ月間にわたってほぼ毎日、不動産会社を回り続けるということをしたり、家を買うために5年間で100件以上のマンションのモデルルームを見に行ったりしています。私のような人は不動産会社にとっては迷惑かもしれませんが、収入や場所に関わらず、誰しもが、納得ができる良いお部屋に住みたい、そう感じているはずです。不動産は、家を借りる際だけでなく、家を買う際、引っ越しをする際、子供が大きくなってリフォームを考える際など、生涯にわたってずっと自分に関わってきます。そういう点で、不動産は誰にとっても身近な業界であり、非常に面白い領域であると感じています。」

人生における仕事のpriority

現在もコンサル時代と変わらず仕事に奔走している小林氏。だが、それが苦にはならないと語る。さまざまなフィールドで働いた今、自身の仕事観をどのように考えているのだろうか。

「私の場合、家庭よりも仕事の方が人生における仕事の優先順位が高いですね。最も自分のパフォーマンスを発揮できるのが仕事だと思っているからです。家族を大切にしたいから、安定を求めて転職を考えたこともありましたが、この考えは新卒の時から変わっていないです。家族には、毎日、仕事ばかりで申し訳ないと思いつつ、好き勝手に仕事をさせてもらって感謝しています。」

「仕事はやって当たり前なので、これまで、仕事が楽しいと思ったことは一度もないですね(笑)。けれど、苦しいとか、嫌だとかは思ったこともあまりありません。特に、スタートアップに携わってからは、難しい局面や厳しい判断をしなければいけないことが多々あります。しかし、そんな場面でも、こんな困難に遭遇できる機会もあまりないだろうし、何か面白いものが見えてくるのではないかとポジティブに考えています。」

楽しいと思える仕事に就くために

仕事に対する軸を見つける

苦しい局面でも前向きに考えるようにしている小林氏。自らが熱中できる仕事を見つけるため、また人生における仕事の優先順位を決めるために大事なことは「何がしたいか」を考えることにあるそうだ。

「自分が人生で何がしたいのかを考えると、見えてくるものがあるかもしれませんね。
自分の方向性を整理する上では、自分にどんな適性があるか着眼することが重要です。それも自分の主観ではなくて、客観的に見て向いているかどうかです。会社でもそうだと思いますが、様々な部署に配属されます。自分の希望配属と適性は異なります。客観的な自分の特性を考えることは仕事をする上での軸になると思います。」

客観的な視点を持ち自分のできることを探すことが、仕事の軸を見つけることに繋がると語る。「客観的に自分が価値を提供できること」を探すためのポイントはどこにあるのだろうか。

「専門性ですね。自分の強い部分や得意な分野、その分野の知識は少なくとも会社の中で一番でありたいと考えています。コンサルにいたからかもしれませんが、自分がどういうアウトプットを出しているか常に考えています。自分が会社に価値を提供できるのは、売上高なのか、社内の数値なのか。自分が出来ることは何であるのかを意識するといいと思います。」

現在のビジョンと自身の「軸」

様々なフィールドを踏んできた小林氏が現在描いている、長期的なビジョンについて伺ってみた。

「長期的に言うと、社会貢献がしたいです。私には、日本の経済発展に貢献するという目標があります。日本が大好きなので、日本のために自分が出来ることは、ビジネスから日本の経済成長を支えることだと考えています。短期的には、iettyを大企業として成長させることで、日本の不動産業界を支えたいです。その先は、どうなるかわかりませんが、少なくとも不動産業界60兆円の市場に革命を起こしたいです。」

小林氏が様々なキャリアを重ねるうちに、自身で見出した「軸」とは、「日本の経済発展への貢献」なのであろう。スタートアップのCFOとして自ら仕組みを作っていくことに対しての不安はないのだろうか。

「不安だらけです。本当に上手くいくかどうかは常に試行錯誤ですが、上手くいかないことが9割だと思っています。自分たちが意思決定を握っているので、何とかしなければいけないという気持ちで、どうすれば上手くいく可能性が高まるかを考えて日々、奮闘しています。反対に、意思決定を握っている分、自分のやったことのインパクトが大きいのは刺激的ですよ。iettyは、オンライン不動産仲介会社の急先鋒として、ITの力で業界全体を変えていくことを目指しています。そこの意思決定に自分が関わっているって、わくわくしませんか。」

(取材・執筆/富田景子)

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