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あなたにとっての『日本酒』を探せ!

辻中様アイキャッチ画像

日本銀行出身

株式会社ナウキャスト アナリスト

プロフィール

日本経済の中枢を担う日本銀行。その日本銀行をわずか3年で退社という異色の経歴を持つ辻中仁士氏。現在は株式会社ナウキャストで、経済の『今』を追っている。安定を放り投げてベンキャー企業に転職したのにはどのような背景があるのだろうか。

目標が描けなかった日銀時代

辻中氏はどんな就職活動を行い、進路を日本銀行に決めたのだろうか。

「私は、『最終的にこれがやりたい!』というものが見つからず、悩みました。そんなある時、ある就活イベントで日本銀行の職員にお話を伺う機会がありました。その方がものすごく熱く日本銀行でのお仕事について語っていらっしゃったんです。就職活動を通して色んな企業の方のお話を伺いましたが、その方が1番熱いなって伝わってきました。そんな仕事だったら面白いに違いないと思い、日本銀行を志望しました。」

熱い仕事ができると確信し、入行した日本銀行。どんな思いで仕事に従事していたのだろうか。

「日本銀行には、大きく分けて3つの仕事があります。景気を調査する仕事・政策を決定する仕事・政策を実行する仕事です。私は1年目に景気を調査する際に必要となる統計を作る仕事を任されました。

率直なところ中長期的にどういう仕事をしたいか目標を定められませんでした。大組織で働くということは、(給料が良いとか、ワークライフバランスが良いとかもありますが、)中長期的に大きな仕事が出来ることが一番の魅力だと思います。日銀の中にも大きな仕事はたくさんあります。しかし、私の場合、そうした大きな仕事の中で、特にこれがやりたい!という明確な目標を描くことができなかったのです。」

そんな中で、仕事を頑張る原動力はどこにあったのだろう。

「まあ仕事ってそんなもんかと、とにかく目の前の仕事に集中しました。そうしていると、ちょっとずつ任される仕事が大きくなり、仕事に慣れていった時は嬉しかったですね。後は、この仕事終わったら飲みに行こう、とか(笑)。仕事後の至福の時間を楽しみにしていました。そんなこんなで社会人生活1年目は過ぎていきました。」

プレイヤーになりたい

日本銀行に入行して2年目を迎え、辻中氏は山口県の下関支店に配属される。下関支店での仕事が辻中氏の人生を変えることになるのだ。

「日本銀行下関支店に配属され、山口県の景気動向を調査していました。例えば、消費税が上がった直後に百貨店やスーパー等の個人消費の現場で何が起こっているのか、為替が円安になって製造業の輸出は伸びているのかを調査します。」

地元企業の調査を行い、地元の方々の働きぶりを目の当たりにした辻中氏。地元の方々の存在は、辻中氏の心に刻まれることになる。

「地元企業の調査で日本酒に関するレポートを書きました。獺祭のような優れた日本酒が生まれ、しかも地域が活性化するメカニズムを分析したレポートです。この調査をする中で、山口の酒蔵の方々の働きぶりに感銘を受けました。皆様、いい日本酒を造って、それをお客さんに届けることだけを考え、土日も猛烈に働いてらっしゃいます。どうしたらもっとたくさんのお客様に美味しい日本酒を飲んでもらえるか、苦しみながらも楽しそうに考えてらっしゃいました。この姿を見て、自分も酒蔵の皆様のように熱い『プレイヤー』になりたい。社会のシステムを外から眺める側ではなく、実際に自分の思いを持って、一人のプレイヤーとして社会のシステムを動かす側になりたいと考えるようになりました。」

「一人のプレイヤーとして社会のシステムを動かしたい」そんな思いが届き、1年後、本店の企画局に異動になった辻中氏。しかし、依然として自分のキャリアに対するもやもやとした思いを払拭させることは出来なかった。

「企画局に異動になったことは希望通りであり、幸運なことでした。調査の仕事をずっと行っていたため、もどかしさを感じていた部分がありましたが、『金融政策を企画・立案する』という役割を担う企画局であれば、自分のプレイヤーになりたいという願いは叶うのではないかと考えたのです。企画局では、金融政策というとてつもなく大きな仕事に携わり、視野が非常に広がりました。しかし、自分の中でのもやもや感は解消しませんでした。

確かに企画局は大きな仕事をやれるところでした。一方で、自分にとって仕事の大きさはあまり重要ではないと感じていることに気が付きました。小さな仕事であっても、自分の関わる範囲が大きく、『次に何をやるべきか』意思決定することに喜びを感じるのではないかと思いました。それなら、もう少し小さい母体で働くほうがフィットするのではないか、ベンチャー企業でプレイヤーになろうと決心したんです。」

日本銀行の様々なフィールドで働き自分のキャリアビジョンが明確になった辻中氏。これまで自分の意思を持って働いてきたからこそ見えた世界があるのだろう。

自分の情熱を注げる先を見つけるために

辻中氏は、ひたすら人に会うという手法で転職活動を行った。

「プレイヤーになりたいという気持ちはありましたが、実際にどのような分野のプレイヤーになりたいかは転職を決意した時にはまだ明確に定まっていませんでした。そのため、山口の酒蔵の方々が日本酒造りに情熱を注いでいるように、自分も何か情熱を注げる『日本酒』的なものを見つけなければならないと思いました。」

辻中氏は、自分の情熱を注げる先=自分の『日本酒』を探し始めたのだ。

「転職活動では、ひたすら色々な方の話を聞くことにしました。ベンチャー交流会へ行ったり、転職エージェントの方々に話を聞いたりしましたね。手さぐり状態で探しながら、行きついたのが『経済の“今”を知る』というビジョンを掲げる東大発ベンチャー、ナウキャストだったんです。」

日本銀行を辞めると決断した時、周囲の反対をどのようにして押し切ったのだろうか。

「この質問はよく聞かれますね(笑)。実は周囲の説得はそんなに難しくありません。周囲がなぜ反対するかというと、ベンチャーっていうと、なんとなく危険な存在なんじゃないかとか、明日には潰れるんじゃないかって思うからなんです。でも、実際にベンチャー企業で働くと実感できると思いますが、普通の人が普通に仕事をしているだけなんです。みんな給料を貰っているし、優秀な人も集まっています。お客さんとして大企業も相手にします。全然普通の職場なんですよね。これらをしっかり伝えてあげると、割と周囲の人は『ああ、そうなんだ。』って納得してくれます。」

自分と会社の目指すものが一致した時

自分の情熱を注げる先=自分の『日本酒』は、ナウキャストであると決め転職をした辻中氏。現在は、会社と自分の目指すものが一致していると胸を張って話してくれた。

「今の会社は、簡単にいうと経済の足元を正確に世の中に発信するナウキャスティングっていうことをやっています。
経済を予測することをフォーキャストと言います。しかし予測する人も神様ではないので、必ず予測したことに対してズレが生じます。一方で、『経済の“今”を知る(ナウキャスト)』、即ち経済の現状を完璧に把握することは、リアルタイムデータ、あるいはビッグデータと呼ばれるデータを使うことで、理論的に可能です。これを私達はやりたいんです。そんなこと、今の世の中出来てるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、例えば最も重要な経済統計であるGDPで現状(2015年12月末現在)公表されているのは2015年7-9月のデータまでです。失業率や消費者物価指数等、その他の統計も『経済の“ちょっと前”』を教えてくれていても、『経済の“今”』は教えてくれていません。これを変えたい。

変えれば、政策のミスが減る。投資判断が正確になる。日本経済が良くなります。日銀で統計を作り、分析し、政策判断のお手伝いをした自分こそ、このビジョン実現に全力を尽くすべきだと思っています。」

辻中氏は現在の働き方を誇らしげに、心から楽しそうに説明してくれた。

「純粋に仕事が楽しいです。本当に嬉しいことは、土日も仕事のことしか考えない自分がいることです。今は、どれだけ働いてもあまり疲れないんです。しんどい時はしんどいんですけど、例えばそんな時に『今日飲みに行こうぜ』って言われても、『いや、明日も仕事だから今日はちょっと休みたい』とは思わないんです。前は絶対、『仕事があるからどうしよう』と思っていたんですけどね。今は、仕事が楽しくてしょうがないです。20代独身の社会人として、仕事が楽しいという状態でいることが1番幸せだって思います。僕は『日本酒』を見つけられたんだと思います。」

脱藩者へのメッセージ

自分にとっての日本酒を見つける

最後に、未来の脱藩者へメッセージを語ってくれた。

「自分の情熱を注げる先=自分の『日本酒』を見つけてほしいですね。僕に取っての『
日本酒』はナウキャストで、『経済の“今”を知る』ことが出来る世界を実現することでした。そういうものを探していただきたいです。

その時のフィールドが、大企業であるかベンチャーであるかは関係なく、どちらも選択肢の1つにすぎません。私はベンチャー企業に転職しましたが、それが絶対に正解であるとは思っていません。ただ、ベンチャー企業って世の中の人が思っているより変なところでもないので、要は先入観にとらわれずに自分の『日本酒』に従って行動する事が1番良いんじゃないですかね。ナウキャストも正社員・インターン両方採用しているので、ご関心お寄せ頂けると嬉しいです(笑)。」

自分がやりたい事とは何なのか、必死に探し求めた辻中氏。漫然と働き続けるのではなく、自分の『日本酒』を見つける努力をしたからこそ、仕事に対して前向きな姿勢になり、仕事もプライベートも充実した生活を送れているのだろう。

(取材・記事/室井美里)

株式会社ナウキャスト採用ページ

辻中氏個人ブログ「僕が日銀を辞めてベンチャーに行く理由」- 神田金融経済日報

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